複層ガラス・ペアガラス・Low-Eガラス???
今ではどんなローコストの新築分譲住宅にもペアガラスが使われています。
ガラスには色々な種類があります。是非知っておいてください。
複層ガラスとペアガラス
『複層ガラス』とは、2枚以上のガラスの間に乾燥空気や質量が重いガスを封入したガラスのことです。『ペアガラス』とは、2枚のガラスの間に、乾燥空気やガスを封入したガラスのことを言います。
実は、2つの呼び方がある理由があります。複層ガラスは『総称』であり、ペアガラスは『AGC(旧旭硝子)の登録商標』です。『ペアガラス』が多く流通したことから、一般名詞として使われるようになり、複層ガラスをペアガラスと呼ぶことが多くなったのです。
ペアガラスは、2枚のガラスで空気の層を挟んだ構造。空気層は冬の寒い空気を遮断し、夏の熱い空気を室内に入れにくくします。室外からの熱を遮るため、エアコンの効率を高め、省エネ効果が期待できます。
室内側のガラスと室外側のガラスの間に空気の層があるペアガラスは、室外と室内の温度差を小さくし、結露を防止します。
ペアガラスには断熱効果と結露防止効果があるため、快適に生活するために使う窓ガラスです。
ペアガラスは20年くらい前から価格が下がり普及が始まった記憶があります。当時のペアガラスの枠のアングルはアルミ製でした。
ガラスの結露はずいぶん改善されましたが、ペアガラスになったことで気密性が上がり、取替え前より室内の湿度が上がる傾向にあり、よりサッシ枠の結露が増す事になってしまいました。
そんなこともあり、最近の新築分譲住宅に使われるペアガラスの枠に付くアングルは樹脂製になっています。これにより、サッシに取り付けされる木製枠が結露で傷むのを防ぐことができます。
樹脂製の枠だと安っぽく見えますので、コストダウンか!と思う方も見えますがこれは間違いです。
ペアガラスの防犯性は単板ガラスよりは高いですが、万全を期すには防犯ガラスを使用する必要があります。防犯ガラスを使っている場合は、ガラスに『CPマーク』が貼ってあります。
また、網入りガラスはガラスに網が入っていることで防犯性能があると勘違いされている方が見えますが、これは火災の熱でガラスが割れてもガラスが飛び散らず、延焼を防ぐ効果があるとされています。準防火地域内で使用されます。
Low-Eガラス
最近の新築分譲住宅の資料には、『Low-Eガラス』の表記を見るようになりました。
Low-Eとは、Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で「低放射」という意味で、太陽の放射熱を低減する働きを強化したガラスです。材質は薄い金属の膜で、ガラス面にコーティングされ、防犯効果はありません。
Low-Eガラスは、複層ガラスに挟まれた中空層のどちらか一方のガラス面にコーティングしたガラスです。屋外側のガラスの中空層側にコーティングした場合を「遮熱タイプ」と呼び、屋内側のガラスの中空層側にコーティングした場合を「断熱タイプ」と呼びます。
Low-Eガラスは、室内へ侵入する日射熱をコントロールする機能があると言えます。つまり、夏は日射熱の侵入を低減する「遮熱タイプ」、冬は日射熱を室内に取り込みつつ室内の熱の漏れも抑止する「断熱タイプ」を選択することが効果的な使い方と言えます。
ただし、金属膜のコーティング面はどちらか一方だけなので、同じ窓での使い分けはできません。そこで、実際には、建物の東西南北に位置する窓から見た太陽の位置や方向、日射量を考慮しながら選択することになります。
また、夏の暑い日差しを遮るには、窓の外に簾を掛ける、シャッターを少し降ろす等、サッシの外側の対策をして遮熱するのが効果的かと思います。
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