近未来の住宅
2020年1月、トヨタ自動車は世界最大級の電子機器見本市「CES2020」において、あらゆるモノやサービスをネットでつなげるスマートシティ構想を発表しました。
実際に街を作り、その中で人々が住み、働き、遊び、生活をすることによって、自動運転やスマートタウンなど次世代技術の実証実験を行なうということです。
今回は、スマートタウンや住宅のAI化についてお話しさせていただきます。
スマートタウン
スマートタウンとは、コミュニティ単位で分散型エネルギーを最大限活用すべく、エネルギーマネージメントシステム(EMS)を通じてエネルギー需給を総合的に管理・最適化し、高齢者の見守りなどの生活支援サービスも併せた、これまでにない新しい形のコミュニティのことです。
神奈川県藤沢市の工場跡地に建設された『Fujisawaサスティナブルスマートタウン』の住宅群は、太陽光発電と蓄電池を標準装備しています。
各家庭には使用電力量を管理するHEMS(Home Energy Manegement System)が採用されており、エコキュートやエネファーム、エアコンなどを制御しています。コミュニティには非常用電源も備わっています。
さらには、太陽光発電と家庭内蓄電池をつなげる蓄電システムも視野に入っています。電気自動車や電動バイクなどのシェアリングサービス、宅配ドライバーの配達時間通知、自動搬送ロボット、無人で荷物配送を受け付けるシステムの導入も検討されています。
国は今後、住宅地における電気や廃熱の面的利用を促進していく考えで、地域で生み出されるエネルギーの最大活用と最適化を目指す方針です。こうした地域や自治体の取り組みが行われる住宅地は、資産性が維持される可能性があります。
住宅のAI化
アメリカスタンドフォード大学の研究者が起業したベンチャー、ブレイン・オブ・シングスが開発した『AI(人工知能)住宅』が注目されています。
居住者の嗜好や行動をAIに学習させることによって、照明や換気扇が自動で動いたり、自然光で目覚めるように最適なタイミングでカーテンが開いたりします。
また、コーヒーが指定した時刻にできたり、ロボットが一日の予定を読み上げてくれたり、テレビの音量や浴室の温度調整、部屋の掃除、ペットの餌やりなども自動で可能になるそうです。
同社はこうしたAIサービスによって、住宅の付加価値が4%高まると見ています。アメリカ国内では監視などの基本サービスの価格で50ドル程度の提供を想定しています。日本にも同様なサービスと価格帯で進出する予定だそうです。
ITを使用している家をスマートハウスと呼びます。スマートハウスで使われる究極のITはIoT(Internet Of Things)です。取り組みはまだ始まったばかりです。LIXILによるIoT実験住宅では、外壁や窓、天井、ドア、水栓、収納などに合計250個のセンサーを搭載しています。
部屋ごとの人の動きや設備の使用状況、温湿度、明るさ、風向風速など、あらゆるデーターを収集します。住環境全体を情報化することによって、ホームオートメーション技術や生活サービスの実現を検証しています。
近いうちに、こうした技術が続々と市場に投入さあれていくことでしょう。近未来で住宅の生活は大きく変わりそうです。
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