「樹木の越境問題」、越境された側が切除できるように!(民法見直し)
民法233条1項では「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」と定められています。
これは、どういうことかというと、竹木の枝が「境界線を越え」た場合には、竹木の所有者に枝を切除するよう申し入れることができるということです。
ここで問題となるのが、申し入れをしても竹林の所有者が枝を切ってくれない時です。
実際に申し入れをしても、枝を切ってもらえないことがあり、実務的には伐採の了解を取り、越境された側が自分(費用負担等含めて)で行うことも少なくありませんでした。
まだ、伐採の了承を得られれば良いですが、了承が得られない場合などは本当に困りますね。
今までは、竹林の所有者に対し、切除請求訴訟を提起して、請求容認判決を得た上で、強制執行を申し立て、竹林所有者の費用負担で第三者に切除させる方法によらなければなりませんでした。
これには当然、弁護士に依頼することになるわけで、手続きに相応の時間と労力.費用が必要になり、現実的ではありません。
過去のブログでもこんなこと書いてました!
今回、民法の相隣関係規定等の見直しで、「竹林の枝が越境を超えるときは、越境された土地所有者は、自ら枝を切り取ることができることとする」と明文化されるようです。(法制審議会第189回会議資料参照)
↓
【竹木の枝の切除等】
民法第233条第1項の規律を次のように改めるものとする。
① 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者
に、その枝を切除させることができる。
② ①の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切
り取ることができる。
③ ①の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ること
ができる。
ア)竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が
相当の期間内に切除しないとき。
イ) 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
ウ )急迫の事情があるとき。
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