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2022年01月14日
知識

民法上、境界線から50cm離すのは建物の何処から?

民法には、建物を築造するには境界線との境界線から50cm以上の距離を保たなければならない(民法234条第1項)と規定されています。では、建物のどの部分から測るのでしょうか?

何処から測るの?外壁か出窓か屋根や庇は・・

判例で具体的に述べられています。

建物の側壁、又はこれと同視すべき出窓やその他の固定的突出物と境界線の最短距離(東京地裁 平成4年1月28日判決)

外壁が境界線から50cm離れていたとしても、出窓などがある場合は注意が必要です。

建物の屋根や庇はどうでしょうか?

屋根や庇の先端が境界線から50cm離れていなくても大丈夫です。これも判例があります。

建物の屋根又は庇の各先端から鉛直に下した線が地表と交わる点と境界線を測るものではない。(東京高裁 昭和58年2月7日判決)

50cm以上離さなくてもいい、例外規定

<慣習>

①その地域に民法234条第1項と異なる慣習、例えば境界線に接して建築して良いというような慣習がある場合、慣習の方が民法234条に優先して適用されます。(民法236条)

<隣地との合意>

②隣地の方との間で、境界線より50cm離さなくても良いと合意できている場合

<建築基準法第65条>

③防火地域又は準防火地域内で建物の外壁が耐火構造の建物の場合、外壁を隣地境界に接して建築することができます。(建築基準法第65条)これについても最高裁の判決があり、民法234条第1項の規定より建築基準法第65条の規定が優先して適用されるとされました。(最高裁判 平成元年9月19日判決)

防火地域、準防火地域内では耐火構造の建物の場合、地域の慣習や隣地との合意がない場合でも、境界に接して建物を建築することが可能ということになります。

50cm以上離さずに建築されたら?

民法第234条第2項では、50cm以上建物を離さず建築した者に対して、「建築の中止又は変更の請求」ができるとしています。(民法第234条第2項)

しかし、「建築に着手して1年を経過した場合や建物が完成した後」は建築の中止や変更を求めることはできず「損害賠償の請求のみ」することができるとしています。(民法第234条第2項但書)

建築の始まった隣地の建物の出窓や固定的な突起異物が境界線より50cm離れていないと思ったら、完成する前に建築の中止や変更の申し入れをしないと、損害賠償請求しかできなくなります。

この記事を書いた人
桜井 ともみ さくらい ともみ
桜井 ともみ
大手住宅メーカーで3年間、女性営業マンとして勤務。その後(株)堀田土地に入社し不動産仲介業に従事し、24年になります。初めの頃は、失敗や知識不足で至らぬこともありましたが、日々精進を怠らず勉強し、きめ細やかな気配りを忘れないように努力した結果、今ではお取引させていただく物件の半分は、ご紹介によるものやリピーターのお客様になりました。 これからもお客様に寄り添って、不動産に関することなら何でもご相談いただけるようなコンサルタント営業をしていきます。
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