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2021年06月12日
知識

国交省が心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)を発表!!

私は不動産の仕事に従事して今年で27年目になります。

これまでに、事件・自殺等の有った物件の売買を数回経験しました。

 

売主様には媒介契約をいただく際に、『告知書』をお見せして、事件・事故・火災等が有ったか無かったのかをお尋ねしています。

 

 

この際に、中には、『何年前の事まで書かなければならないのですか?』と質問されることもありましたが、具体的なガイドラインがなかった為、『知っていることは全て書いてください!』とお話ししていました。

 

不動産取引の実務においては、告知の要否、告知の内容についての判断が困難なケースがあるため、取り扱う宅地建物取引業者によって対応が異なる状況があり、不動産の適正な取引や居住の安定の確保を図る上での課題でした。

 

これを踏まえ、令和2年2月より、国土交通省において『不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会』が開催され、その結果が令和3年にガイドライン(案)として取り纏められました。

 

このガイドライン(案)に関して国土交通省は6月18日までパブリックコメントを募集するとしています。

 

宅地建物取引業者がこのガイドライン(案)に基づく対応を行った場合でも、民事上の責任を回避できるものではありません。

 

しかし、このガイドライン(案)が宅地建物取引業者だけでなく、取引当事者の判断においても参考され、トラブルの未然防止につながることが期待されています。

 

それでは、ガイドライン(案)の適用範囲具体的にご説明します。

対象となる事案

心理的瑕疵については、他殺、自死、事故死などの人の死に関する事案以外にも、周辺環境や過去の使用用途等が該当することがありますが、今回は引の対象となる不動産において生じた人の死』に関する事案が対象です。

対象とする不動産の範囲

『居住用不動産』が対象。

隣接住戸や前面道路などで発生した事案は対象外。

ただし、集合住宅の取引においては、専有部分・貸室だけでなく、ベランダ等の専用使用が可能な部分のほか、共有の玄関・エレベーター・廊下・階段等の買主・借主が日常生活において通常使用すると考えられる部分も該当する。

告知する事案

『他殺、自死、事故死その他原因が明らかでない死亡が発生した場合』告知をする。

自然死又は日常生活の中での不慮の死(自宅階段からの転落死、入浴中の転落死、食事中の誤嚥による死亡等)が発生した場合は、原則として告知する必要はない。

調査について

宅地建物取引業者は告知する事案があるかないかを自発的に調査すべき義務までは、宅地建物取引業法上は認められないとされています。

 

ただし、販売活動・媒介活動に伴う通常の情報収集等の調査過程において知った事案については、買主・借主に告知しなければなりません。

 

なお、媒介を行う宅地建物取引業者は、売主・貸主に対して、告知書(物件状況確認書)等に過去に生じた事案についての記載を求めることで調査義務を果たしたものとされます。

 

それから、宅地建物取引業者は、取引する不動産において過去に人の死が生じた事案について、売買契約後引渡しまでに知った場合、買主・借主に告知義務があります。

 

告知について

賃貸借契約の場合

●告知する内容

事案の発生時期、場所、死因

 

●告知する範囲

事案の発生から概ね3年間

 

売買契約の場合

●告知する内容

事案の発生時期、場所、死因

 

●告知する範囲

売買契約の場合、一定の考え方を整理するうえで参照すべき判例や取引実務等が現時点においては十分に蓄積されていません。

このような状況から、当面の間は調査を通じて判明した範囲で買主に告知するものとします。

なお、亡くなった方の遺族等、関係者のプライバシーに配慮する必要があることから、氏名・年齢・住所・家族構成や具体的な死亡原因、発見状況等を告知する必要はありません。

 

買主・借主に事案の存在を告知する場合は、後日のトラブル防止の観点から口頭でなく書面の交付等によることが望ましいとされています。

 

この記事を書いた人
堀田 秀隆 ホッタ ヒデタカ
堀田 秀隆
元々は、某トヨタ系企業に就職した技術者でしたが、某ハウスメーカーで営業を、設計事務所で設計を学び、弊社では分譲住宅の設計・施工・現場管理をした後、現在の不動産営業をしております。 この仕事はつくづく「人生相談」に似ていると実感してます。私の経験・知識・人脈をフル動員して皆様のご相談に乗らせていただき、安心したお取引が出来るように全力で頑張ります。
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