地盤の液状化現象とその原因・対策
来月の11日で『東日本大震災』から10年になります。
私は昨年、映画『Fukushima50』を見ましたが、あの大震災を思い出すと身震いがします。津波の映像は本当にショッキングなものでした。
この地震では、本震および余震による建造物の倒壊・地滑り・液状化現象などの直接的な被害ほほか、津波、火災、そして、福島第一原子力は圧電所事故の伴う放射性物質漏れや大規模停電などが発生しました。
大震災のときには液状化現象が問題になることが多いです。東日本大震災の際は、千葉県でも大規模な液状化現象がおきました。
ご存じの方も多いかと思いますが、液状化現象とその対策についてまとめてみました。
液状化現象とは
液状化現象とは、地表面の含水状態の砂地盤が、地震のような揺れを加えられることによって、固体化していた状態から液体のようになってしまうこと。
この液状化現象が生じると、それまで建物の荷重を支えていた地盤が液体のようになり、基礎が地盤の中へめり込んで建物が傾いたり、逆に、地中から噴き上げてくる水と砂によって基礎が持ち上げられてしまうという、二通りの減少が発生します。
1964年6月16日に発生した新潟地震の際、新潟空港などでこの現象が発生したことから日本国内でも知られることになりました。
この現象は埋立地などでよく起こる現象であり、平成23年3月11日の東日本大震災においては、千葉県浦安市や東京お台場などで液状化が発生しました。
なお、横浜の埋立地においては、比較的液状化が起きにくい建設発生土を用いたり、地盤沈下対策に加えて液状化対策を行っています。
液状化現象の対策(マンション等の中高層建築物)
阪神・淡路大震災でも液状化現象が発生しましたが、マンション等の中高層建物の液状化被害は比較的小さなものでした。
マンション等の場合は、硬い地盤まで支持杭で到達させ、杭と建物が緊密に固定されていたため被害が小さかったとされています。
また、東京ディズニーランド等で採用されている「サンドコンパクション・パイル工法」も液状化に有効とされています。
液状化現象の対策(戸建て住宅)
戸建て住宅の場合は、何十メートルもの支持杭を打つようなことは一般には行われていません。
戸建て住宅の液状化対策としては、「表層地盤改良工法」が普及しています。過去の地震の被害経験から、地面から2m程度の深さまで液状化しない地層がある場合には被害が減るという調査結果があるためです。
また、直径5~10㎝の水抜き管等を、50~120㎝の間隔で地盤中に埋め込む「ドレーンパイプ工法」も被害軽減策の1つとされています。
これは、大地震時に上昇する地盤中の水圧をこのパイプ内に流入させて、液状化の原因となる地下水圧の上昇を抑制する工法になります。
いずれにしろ、現在は、建築会社は必ず地盤調査を実施し、地盤に応じた基礎設計をし、地盤補強工事を行います。
地盤補強工事に多大な費用がかかる土地もありますので、大規模の埋立地は注意した方がいいかもしれません。
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