築50年の住宅のメンテナンス part4
増築工事が完了し、最後に防水工事・塗装工事に入っています。
一般の方々は、塗装が劣化し建物の美観が損なわれると、そろそろ見た目がみっともないから塗装しようかなぁと思いますよね?
そして。塗装やバルコニーの防水が劣化しても、室内に雨漏りするまでメンテナンスをしない方も多数いらっしゃいます。
でも、実は、その段階では塗膜の劣化等により防水性能が損なわれ、外壁材の基材そのものまで劣化が進んでしまっていたり、バルコニーの防水層が割れて躯体内にも水が侵入していることがあります。
外壁材の基材まで劣化が進んでしまっていると、再塗装が出来ず、最悪、外壁を張り替えなければならない場合もありますし、構造躯体に腐食がある場合は、修理にも多額の費用がかかります。
ですから、外壁やバルコニー等の防水のメンテナンスは、必ず定期的に行う必要があります。
現在では、ハウスメーカーの中には、新築から30年間の外壁及ぼ防水の保証をする会社があります。
ただし、これは、ここ数年のことですし、技術的に言ってもかなり厳しい保証をしていると思います。
現場で外壁の再塗装した経験では、フッ素を使っても20年が限度のように思います。バルコニー等の防水に関しては、10年以上の保証をする会社は知りません。
工場内の良い環境で塗装し完成した外壁材の塗膜と四季のある厳しい現場環境で塗装した塗膜とでは、やはり耐久性は違います。
ですから、長くみても15年以内には外壁・防水のメンテナンスはした方が、より建物の構造躯体を良い状態で長く保つことが出来ると思います。
これが工事前の屋上の状態です。コンクリートの表面の劣化も進んでいますが、目地や立上り部分は何度か補修した跡があります。
今回は、ウレタン防水を施工しています。この写真は二層目の施工が完了したところです。
この後に防水層を保護する為のトップコートを施工しました。
それから、一般の木造住宅だと、バルコニーにはFRP防水が施工されている建物が多いですが、FRPの防水層はほぼ透明です。
この防水層は紫外線等で劣化するのを防ぐ為に、トップコートが施工してあります。色はグレーが多いかな。
本当は、バルコニーの床面は綺麗に保っていただき、亀裂やひび割れが直ぐに分かるようにしていただきたいのですが、中古住宅の査定でインスペクションを行うと、ほとんどのお宅は、バルコニーは真っ黒です。
このお客様は本当に綺麗に掃除されています。この状態だとクラックの確認も非常に楽なんですよね‼
防水層のあるバルコニーは屋根と同じです。絶対に定期的なメンテナンスが必要ですので注意してください。
築20年を超えてもメンテナンスしてないFRP防のバルコニーは、近いうちに必ず割れて雨漏りしますよ‼
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