中古住宅購入時の不安の解消
マイホームを購入した人の約75.5%が建物の構造の劣化や品質に対する不安があり、中古住宅の購入を検討し、最終的に新築住宅を購入したというデータがあります。
建物の不安を払拭し、より安心して購入していただくためにどうしたら良いのでしょうか?
中古戸建を選ばなかった理由
国土交通省の住宅市場調査の結果、中古住宅を購入しなかった具体的な理由として以下のような回答がありました。
1.隠れた不具合が心配だったから 38.5%
2.リフォーム費用が高くなるのではないかという心配 37.6%
3.耐震性や断熱性などの品質が低そう 36.7%
4.給排水管などの設備の老朽化が心配 35.8%
5.見た目が汚いなど 19%
6.間取りやキッチンなどの設備や古さが不満 17.3%
7.価格が妥当なのかが判断できない 13.3%
8.保証やアフターサービスがない 13.3%
中古戸建を購入した理由
ポータルサイト「アットホーム」のユーザー動向調査では中古戸建を選んだ方の理由は
1.価格が手ごろだったから 65.2%
2.新築戸建てにこだわりがなかったから 34.2%
3.実物を見て購入したかったから 31.5%
4.駅近などの立地を重視したから
5.住みたいエリアに新築物件がなかったから 13.9%
という回答でしたが、購入時に不安に感じたこととして、
1.隠れた瑕疵や欠陥があるかもしれない 51.9%
2.リフォームする必要があるかもしれない 42.3%
3.設備が古いかもしれない 32.8%
など、経年劣化に関する不安を感じられる方が多数です。
購入時に利用したかった 54.4%
利用したことはないが、購入時に建物状況調査(ホームインスペクション)を利用したかったと回答したユーザーが54.4%
建物状況調査とは、専門家が既存住宅の(中古物件)の基礎や外壁などの検査をし、報告書を作成してくれるというものです。
この調査は建物の傾きなどはレーザーを使い計測しますが、他は目視で行うものになります。建物の劣化の状況や雨漏り、白蟻の被害の有無を把握するもので、壁をはがすわけではないので欠陥住宅の調査とは異なります。
建物の健康状態を把握すること
建物状況調査を行うメリットは、現在の建物の健康状態を把握できることです。
すぐに修繕(リフォーム)が必要な「劣化」があるのかを知ることができます。
建物状況調査をしますと、定期的に外壁の修繕をしていても、少なからず、外壁のコーキングのひび割れや、バルコニーの防水塗装の劣化などが見つかります。
日当たりの良い立地の建物ですと、築年数の浅いものでも外壁のコーキングの劣化が見受けられることがあります。
急を要する修繕でなくても、次回の外壁修繕をする場合に、調査書を参考に劣化が見つかった部分を外壁塗装業者と確認しながら、外壁の防水塗装や、コーキングを依頼できます。
プロの目でチェックしてもらうことで、建物の健康状態が把握でき、不安が解消され安心して購入することができます。
リフォーム(修繕)記録を取っておこう
新築、中古住宅にかかわらず、戸建を購入したお客様には、点検やリフォーム(修繕)記録を付けるように、またはリフォーム(修繕)した内容のわかる請求書および領収書などをファイルに入れて保管するようにお話しています。
下記は、売主様が保管していた領収書などをもとに、リフォームや設備の交換などをした記録を一覧にしていただきました。きちんと修繕しながら住んでいるのが一目でわかりますので、購入者の安心につながります。
新築時に性能評価をたくさん取得しても、そこに使われている材料が劣化していくことは避けられません。定期的にメンテナンスすることで、劣化の進行を遅らせることができ、長く快適に住み続けることができるのです。
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