賃貸物件の売却相談がありました。
私が8年ほど前に中古住宅の売却のお手伝いをさせていただいたお客様が事務所にご来店されました。
今、賃貸に出されている分譲マンションを売却したいと言うご相談でした。
他の不動産業者さんで購入し賃貸に出している分譲マンションです。
何故、また私に相談してくれたのか尋ねたところ、『前回の売却でお世話になり、気楽に相談出来るお店が思い浮かばなかったから。他の不動産業者だと売るまでしつこくされそうだから。』と言ってくださいました。
本当にありがたいことです。
入居者がいる物件の場合は下記のいずれかの方法になります。
①収益物件として売りに出す。
②賃借人に購入意思があるか聞いてみる。
③賃借人に退去していただいて売りに出す。
①の場合は、賃料が問題になります。
今の賃料で、表面利回り10%程度が確保できる物件価格であれば、十分に投資物件としての魅力があります。
表面利回り10%だと、家賃10万円/月なら1,200万円、20万円/月なら2,400万円になります。
ところが、今回のような刈谷市内の駅近のマンションの場合、居住用物件として売却にだせば2,500万円前後の売却が可能です。
家賃はどう考えても15万円/月以上は見込めません。そう考えると、居住用物件と同じ金額で収益物件で売却する場合は、表面利回りで7.2%程度が限界です。
実際には、管理費・修繕積立金・駐車場料金・固定資産税等が4万円/月程度かかりますから、実質利回りは5%くらいになります。
この利回りで売れればいいのですが、ちょっと難しいのでは?と思います。
②の場合は、入居者次第ですね。
弊社では入居者に購入していただいた実績があります。
ただし、価格は入居した期間により、市場価格から調整することもあります。
③の場合は、入居者と締結している賃貸借契約の内容が鍵になります。
一般の個人の方が借主の場合の賃貸借契約は、普通借家契約か定期借家契約かどちらかの契約方法を取ります。
『普通借家契約』は、契約期間が定められていても、借主から退去の申出でをしない限り自動更新されます。
このように、借主に有利な契約になります。
期間満了時に契約更新の手続きをする場合もありますが、貸主からの解約や更新の拒絶は基本的にできません。
『定期借家契約』は、法律で契約の自動更新が定められていません。
そのため、契約期間満了時は自動更新でなく、再契約をすることになります。
また、1年未満の契約も可能です。
このように、貸主に有利な契約になります。
弊社が個人所有の中古住宅や中古マンションを賃貸に出す場合は、賃貸の途中でその物件の利用方法を変更できるよう、『定期借家契約』をお勧めしています。
今、お客様がどちらの契約方法を取ったか調べていただいています。
お客様がマンション購入時に賃貸の仲介に入った仲介業者は、財閥系大不動産会社と聞きました。
さあ、どちらの借家契約にしてあるのでしょうか?
皆様も自宅を賃貸に出す場合はよくお考えくださいね。