半田運河・蔵のまち(半田市)
半田運河が位置する衣浦港(きぬうら)は古くは衣ヶ浦(ころもがうら)といい、天然の良港であったことから、江戸時代には多くの千石船が行き来していました。
この時代、半田では醸造業が盛んとなり、半田運河より酒、酢などが江戸を中心に運び出されていきました。中でも酒造りからでる酒粕を原料とする粕酢(かすず)はこの地で初めて製造されたもので、現在の江戸前寿司の興隆をもたらしたと言われています。
また、半田運河沿いは、黒板囲いの醸造蔵や旧商家の邸宅などが立ち並ぶことから『蔵のまち』と呼ばれ、江戸時代の面影を今日に残しています。
昭和17年には、黒澤明監督のデビュー作映画、『姿三四郎』の撮影が半田運河周辺で行われました。
今回は、半田運河周辺をご紹介します。
ちなみに、お昼は古窯庵さんで鴨鍋せいろをいただきました。
濃厚なつけ汁は堪りません!
半田運河
ミツカンミュージアム
ミツカンミュージアムは、ミツカンの酢づくりの歴史や食文化の魅力にふれ、楽しみ学べる体験型博物館です。
ミツカンミュージアムを見学するとお酢の製法や特徴が分かります。ショップでは、オリジナルグッズなどを販売しています。
小栗家住宅
小栗家住宅は平成16年3月に国の登録有形文化財に登録されました。
明治初年頃の建築と推定される主屋は、寄棟造り棧瓦葺の屋根を持つ二階建の建物で、道路側にはいかめしい格子で囲まれた店舗を有し、奥は広大な居宅部分となっており、両者は土間によってつながっています。
居宅部分の上り口に近づくと、二階の床を支える太い梁材には、縦縞状についた筋目が目立ち、正面には2間幅の堂々たる式台が望まれ、同家の格式を高めています。
小栗家住宅は個人所有の邸宅であるため、通常は立ち入ることはできません。
半六庭園
江戸時代から海運業、醸造業で栄え、代々地元の発展に貢献した名家、中埜半六家。
その庭園を、市民の憩いの場、半田市を訪れる方々のおもてなしの場として開園しています。
國盛 酒の文化館
國盛 酒の文化館は、1985年、中埜酒造(株)が新工場を完成、稼働したのを機に創設したお酒の博物館です。
日本固有の文化である「日本酒」の知識と理解を深めていただくと共に、省力化、機械化が進められる酒造りで使われなくなった道具、伝統的な先人たちの技などの貴重な文化遺産の伝承を目的に開設しました。
重厚な黒塗りの壁、格子の填った白い漆喰窓をもつ建物は、1972年まで約200年にわたって実際に酒造りが行われた酒蔵をそのまま生かしたもので、この建物自体が東海地方の酒造史の語り部です。
酒の文化館は200年ほど前に建てられた古い酒蔵を利用した資料館です。
旧中埜家住宅
旧中埜家住宅は、明治44年に第10代中埜半六が海の見える小高い丘であった当地に建てた別荘です。
中埜半六家は、古くから海運業や醸造業を手広く扱う半田屈指の豪商の一つでした。
設計は、東海地方で数多くの作品を手掛けた建築家に鈴木禎次によるものです。
建物は、複雑な壁面と切妻の屋根が上手く組み合わされ、変化に富んだ優雅な外観をつくりだしています。
屋根に使用されている天然スレート、大理石造りの暖炉、古典様式も漆喰彫刻、ガス灯など、建物には明治後期の洋風建物の姿がよく残されています。
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