残価設定の住宅ローン
「残価設定ローン」という言葉は、車を購入するときに聞いたことがあると思います。数年後(3~5年後)の車の査定額(残価)をあらかじめ差し引いておき、残りの部分をローンで支払うという仕組みです。
毎月の支払額が少なくなるので、グレードの高い「レクサス」を購入したという方もいらっしゃるかもしれません。
毎月の返済負担が減る
この「残価設定型」の最大のメリットは、毎月の返済額が低く抑えられること。そこで、若い世代を中心に所得が伸び悩むなか、この手法を住宅ローンに応用し、住まいの取得を応援しようという動きが始まっています。
仮に「残価設定型」を住宅ローンに応用し、10年後に下取りをしてもらえると仮定したとすると、毎月返済する金額はかなり少なくなります。
また、将来、自分の家をどうするかを見直す機会を持てます。例えば、家族が増え、家が狭くなっていたら、販売会社に買い取ってもらい、広い住まいに買い替えることもできます。
そのまま住みたいと思えば、もう1度、住宅ローンを設定するか、残りのローンを一括返済すればいいのです。
中古住宅を流通させる
こうしたメリットが注目され、「住宅ローンの残価設定型」は、現在、国土交通省の「平成28年度長期優良住宅化リフォーム推進事業(提案型)」にも導入されることが決まり、補助金の対象にもなっています。
残価設定ローンは現在、「北海道R住宅ストック流通推進プロジェクト」が試行段階として実施しています。
※北海道は厳しい寒さに耐えるため、住宅の断熱性能や気密性が高い「北方型住宅仕様」の施工をしているので、外のエリアに比べて高品質な中古住宅が多いとされる
2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」や2009年の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」などにより、今後中古住宅市場も質の高い住宅が増えてくる可能性が高くなりました。
高性能な住宅のストックが増えれば、「残価設定ローン」も普及していくかもしれません。
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