事前調査の有無で変わる費用とトラブル回避:更地渡しの現場実務
1970年から2006年9月1日以前に建てられた建築物には、吹付アスベストやアスベストを含有した建材が使われていることがあります。
解体する建物にアスベストを含んでいる建材などがあると、処分費や解体時に飛散しないような対策をする必要もあり、解体費が高くなります。
上記の期間に建てられた建築物を、売主が解体して更地にして引き渡すという契約はよくあるケースですが、どんなことに注意したらいいのでしょうか?
実際のケースでお話します。
①図面の仕様書を確認
売主様の保管していた図面の仕様書には、屋根や外壁などの建材メーカーや商品名などが記載されておらず、建築会社も廃業されており、アスベスト含有の有無が確認できませんでした。
※建材メーカーや商品の型番がわかれば、アスベストを含有している建材かは、各建材メーカーのHPで確認できます。
②有資格者による事前調査
書面で型番等から確認できない場合、現地で有資格者による調査が必要です。
(※令和5年10月1日以降、アスベスト含有建材の有無を事前調査を行える者は有資格者)
解体業者に事前に相談すれば、見積もり段階で有資格者による目視で調査をしてくれるところもあります。
目視で判断不能の場合、サンプル採取などの分析調査を行います。
アスベストが「ない」ことは証明できない
有資格者による事前調査(目視・サンプリング調査)を行い、「石綿含有建材は存在しない」と判断されても、解体時にアスベストが発見される可能性があります。
この場合、当初の解体見積り金額よりも高額の費用を請求されることを認識しておく必要があります。
売買契約の特約でトラブル防止
契約までに、売主がアスベストの事前調査を行っておれば、解体費用の見積もりが大きく変わる可能性が低いものの
上段の通り、解体時にアスベストが発見される可能性が全くないとは言い切れません。
売が解体し更地にして引き渡すのか、あるいは買主が引き渡し後に解体を予定しているのか、状況によって特約の内容が変わりますが、以下の点について条文化しておくと、将来的なトラブル防止になります。
①事前調査を行うのはだれか?またその費用負担はだれか?
②解体時にアスベストが発見された場合、石綿の除去、大気汚染防止法により飛散防止措置(封じ込め)などの追加費用は誰が負担するのか?
③想定コストの上限を明記し、解約条項を入れるのか?
(石綿を含まない解体見積金額から○〇万円を超えた、あるいは2倍を超えた場合は解約できるなど)
地盤改良工事が行われた場合
地盤下の地盤改良工事をしてあるか否かも、目視ではわかりません。
図面等が保管されていない、あるいは建築会社が廃業などして、地盤改良工事を行っていたかわからないというケースがありました。
木造の戸建でしたので、地盤改良工事を行っていたとすれば、表層改良か、柱状改良と想定されますが、全撤去となるとかなりの費用がかかります。
このケースでは
盤改良工事がされていた場合の撤去の方法(柱状改良の場合GLから何センチまで撤去が必要か?)について、契約前に買主の建築会社と相談の上、契約書に条文化しました。
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