所有権移転請求権仮登記の抹消
今年の2月初旬の売却相談の案件です。
土地の甲区欄に、売買予約による所有権移転請求権仮登記が設定されていました。某大手不動産業者では取扱いできないと言われたそうです。
この土地をこのまま購入することはできます。ただし、予約完結権が行使されたら行使した方が所有権を取得することになります。
ですから、この仮登記が設定された土地を購入する人はいないと思いますし、金融機関の融資も受けられないはずです。
さすがに弊社は地元の専門家。せっかくご相談いただいたお客様です。何とかしてあげなければとの気持ちが強く弊社顧問弁護士に相談しました。
消滅時効
この仮登記設定されたのが昭和43年です。
仮登記は時効消滅しませんが、予約完結権は売買予約の成立日から10年経過すると時効により消滅しますので、10年以上経過している場合は仮登記を抹消することができますが、当然仮登記権利者の協力が必要になります。(2020年4月1日以降の契約に基づく予約完結権は5年の消滅時効)
これに伴い、仮登記に対する本登記請求権も消滅します。ただし、これには時効の援用が必要になります。
そこで、弊社顧問弁護士が、「予約完結権が時効消滅したので、仮登記を抹消するように」と設定者に連絡することにしました。
仮登記設定者が行方不明
ご相談者が80代の方です。したがって仮登記設定者もすでにお亡くなりになっている可能性もありました。
まず、登記されている住所を住宅地図で調べました。
ところが、この場所は区画整理事業が行われ住所変更が行われており、登記の住所が見つかりませんでした。
そこで行政に出向き、区画整理前の住所がどの住所に変わったのか調査しました。
今回はダメでしたが、区画整理の年代と事業者により住所変更証明を出してもらえる場合もあります。
そして、区画整理後の住所地に出向き、表札等を確認し、聞き取りしましたが住所地には仮登記設定者はいらっしゃらないようでした。
不在住証明書
このことを弊社顧問弁護士に伝えると、行政に不在住証明書の手配をしました。
これにより、仮登記設定者の住民票、除票がないことが証明されました。また、土地の現地周辺も聞き取り調査を行い、これ以上追跡ができないことになりました。
公示送達による提訴
次に、弊社顧問弁護士が詳細な調査報告書を作成し、裁判所に公示送達を認めていただけるように掛け合いました。
顧問弁護士の尽力により公示送達を認めていただきましたので、地方裁判所の掲示板に掲示が行われました。
その後、裁判が行われ(欠席裁判)、その場で終結、翌週に判決が言い渡されました。そこから判決を公示送達、顧問弁護士の事務所に特別送達、そこから2週間で確定致しました。
顧問弁護士が確定証明を取得した後、判決文と併せて弊社に送っていただきました。これにより、所有権移転請求権仮登記の抹消ができました。
今回、顧問弁護士に依頼してから数か月かかりましたが、何とか出来て良かったです‼
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