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2020年09月11日
新築住宅の知識

断熱材のない家は違法?

断熱材が入ってない家は違法じゃないの?多くの方はそう思うのではないでしょうか?

ところが、わが国の建築基準法では断熱材の使用は義務付けられていません。ですから、違法ではなく、現在でも断熱材を使わない住宅を建築することができます。

今回は、日本で断熱材が使われるようになったきっかけと、欧米と比べた場合の日本の住宅の断熱性能についてお話しします。

省エネ基準の変遷

国交省HPによりますと、住宅・建築物部門のエネルギー消費量は、全エネルギー消費量の3割以上を占め、産業・運輸部門に比べ増加が著しいため、地球環境問題の解決に向け、住宅においてもさらなる省エネ化が求められているとのことです。

 

住宅の省エネ基準は、省エネ法に対応して昭和55(1980)年に制定され、平成4(1992)年、平成11(1999)年に改正・強化されました。

 

さらに平成25(2013)年には住宅の外壁や窓などの「断熱性能」に加え、設備の性能や省エネをを総合的に評価する「一次エネルギー消費量」基準が加わり、建物全体でエネルギー消費量を減らす基準が導入されました。

 

そして、平成28(2016)年には「設備一次エネルギー消費量」基準が追加されました。

省エネ基準は義務ではない

省エネ基準は法的に義務化されておらず、努力義務とされています。

 

でも、それでは普及が進みませんので、住宅金融公庫(現在のフラット35)でお金を貸すときに、断熱性能の高い住宅は多くの資金が借りられるようにしました。

 

実は、2020年1月からすべての新築住宅にこの省エネ基準が義務化される予定でした。現在の住宅性能評価で言う『断熱等性能等級4』相当の基準の待望の義務化でした。ところが、急遽見送られることが決定してしまいました。

 

見送られた原因に、消費税増税による住宅市場への影響があります。義務化すると、さらに建築費がアップしてしまい、住宅市場が冷え込むのを国が勘案したのではないかと個人的には推察しています。

日本の住宅VS欧米の住宅

多くの先進国は日本の省エネ基準より遥かに高い基準を義務化しています。ですから、日本の住宅の断熱性能は欧米の住宅に比べて劣ります。(もちろん、一部ハウスメーカーの中には断熱性能が非常に優れる住宅は存在します。)

 

例えば、ドイツでは、持ち家でも賃貸でも、日中の温度が19度以下になる住宅は認められません。また、中古住宅を売り出す際には、住宅が消費する年間エネルギー量を表示しなければ売却することができません。

 

また、EUでは『エネルギーパス』が義務化されています。エネルギーパスとは、いわば『建物の燃費』を表示する証明書のことで、どんな構造の建物でも一目でエネルギー消費量が比較できる制度です。

 

自動車の燃費が表示されているのと同じで、買う際や借りる際に、住宅にいくら光熱費がかかるのか分かるようになっています。

 

非常にわかり易いですよね?日本では、断熱性能を表すのに、Q値(熱損失係数)、UA値(外皮平均熱貫流率)、C値(相当隙間面積)と言う数値が出てきます。

 

この数字を比較して断熱性能を比較するよりも、エネルギー消費量で比較する方が一般消費者は絶対にわかり易いですよね。

 

エネルギーパスは、一年間を通して快適な室内温度に保つために必要な1㎡あたりのエネルギーを数値化して表示します。さらにはドイツにおいては2008年から年間エネルギー消費量とCO²の排出量の表示を義務付ける制度がスタートし、2009年度以降はEU各国でも採用されました。

 

日本でも、『一般社団法人日本エネルギーパス協会』が2012年から日本版の認証制度を開始しました。

 

日本でもいずれ省エネ基準は義務化されます。ですから、これから新築住宅を購入される方は、最低でも『断熱等性能等級4』はクリアしている住宅をお勧めします。

この記事を書いた人
堀田 秀隆 ホッタ ヒデタカ
堀田 秀隆
元々は、某トヨタ系企業に就職した技術者でしたが、某ハウスメーカーで営業を、設計事務所で設計を学び、弊社では分譲住宅の設計・施工・現場管理をした後、現在の不動産営業をしております。 この仕事はつくづく「人生相談」に似ていると実感してます。私の経験・知識・人脈をフル動員して皆様のご相談に乗らせていただき、安心したお取引が出来るように全力で頑張ります。
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